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おいしい仕事?(7)




   おいしい仕事?(7)


楽屋に入ると、連は再度キョーコちゃんに礼を言い、急な依頼だった事や出番がどれくらいあるかわからない事を詫びた。

キョーコちゃんは笑顔で…

「勉強になりましたし、あれでよかったのかわかりませんが、仕事なのに演技していて楽しくて…だから謝らないで下さい。」

その言葉に俺はホッとした。まだキョーコちゃんに話してない事があるので罪悪感は残っているが、キョーコちゃんで撮影した方が採用されなかった場合は知らない方がいいのは間違いない。だから今はこれでいいとしよう。蓮もそう思ったのか少しホッとしたような表情になった。

「ところで、この衣装どこに返却すればいいのでしょうか?先ほど割烹着を返す時、衣装スタッフに聞いたら、社さんか敦賀さんに聞いてと言われたんですが…。」

…キ、キター。一体、いつキョーコちゃんに渡すつもりだったのか知らないが、俺はフォローしたくても出来ないし、知っててもフォローする気はないからな!

「…その服ね、ワインゼリーのお礼。今日渡そうと思って、持って来てもらったんだ。」

「え?」

「ほら、この間作っきてくれただろう?普段、スィーツは食べないんだけど、最上さんの作ったあのゼリーは美味しく食べられたんだ。だから、そのお礼。」

「うっ。…あの、お言葉はいただきますが、この服は頂けません。こんなに肌触りがいいんです、高価なはずです。ゼリー1個に見合いません。」

「うん、その服は生地もいい物を使っているし、実際売るとしたら高価な品になると思う。でも、それはサンプル品で格安で譲ってもらった物なんだ。バックと靴はオマケで付けてやるって言われてね。だから遠慮しないで受け取って。」

…ほう、アルマンディは女性用の服は市販して無いのにサンプル品ねぇ。だいたい、なんでサンプル品がキョーコちゃんのサイズピッタリなんだよ、可笑しいだろ!それに、あそこは女性用の服はオーダーメイドしか扱ってないだろう!?

……蓮。お前、キョーコちゃんに受け取りを拒否させる気ゼロだな。

前回のプリンセスローザの件や、今回の件みたいな事をやる前に、さっさと告白しろ。お前には「へっ」でもない金額の贈り物かも知れないが、周りから見たら恋人か婚約者、又は奥さんへの贈り物レベルなんだよ!

いつまで「最上さんの作ったあのゼリーは美味しく食べられたんだ。」なんて回りくどい言い方して、キョーコちゃんにスルーされてるつもりだ、このヘタレ!

「えっと、あの…」

「んー、じゃあこうしよう。これは今回の迷惑料でワインゼリーのお礼は改めて、と言う事で。」

い、いやー。雪花の服代も、どうやって返そうか悩んでいるのに、これ以上増やされたらどうしたらいいのよ~。

「あ、あの…じゃあ、ゼリーと今回の件、合わせて受け取らせていただきます。ありがとうございます。…それでも過分だと思うので、またスィーツが食べたくなったらいつでも言って下さい。ゼリー以外の物でも敦賀さんが食べたい物を作りますので。」

「うん、ありがとう。そうさせてもらうね。」

何とか受け取って貰えたか。あーあー、幸せそうな顔しちゃって。いいのか?そんな些細な事で幸せ感じてて。

「それでね、最上さん。写真を撮らせてもらえる?その服を譲ってくれた人にモデル以外が着た所も見てみたいと言われていてね、いいかな?」

「えっ?私でいいんですか?」

「最上さんがいいんだよ。」

キョーコちゃんは「私でお役に立てれば」と言い、蓮の「最上さんが」は又もスルーされ写真を撮る事になった。

蓮はデジカメを取り出し、数枚の写真を撮ると「ありがとう」とキョーコちゃんに礼を言いデジカメを仕舞おうとする。オイオイ、そうじゃないだろう!

「キョーコちゃん、せっかくだから今日の仕事の記念に、蓮と一緒に写真とってもいいよね?」

そう言いながら手にゴム手袋を嵌めると蓮にデジカメを渡すよう促した。蓮は複雑そうな顔でデジカメを手渡し、キョーコちゃんは「はい」と返事をした。

蓮がキョーコちゃんの横に立つとシャッターを押し始める。修学旅行の集合写真のような立ち位置の二人に、「フレームに収まらない」と密着させ、「俺、写真撮るの下手だから」とアップやロングの写真を20枚以上、撮った。

デジカメなのでその場で撮れ具合を確認すると、照れたように笑うキョーコちゃんと幸せそうに微笑む蓮とか、立ち位置を確認する為に見つめ合う二人とか、なかなか良く撮れている。

その時、画像をみながらキョーコちゃんが笑顔で言った。

「すぐに撮った物が見られるって便利ですね。色々活用出来そうですし。」

「最上さん、デジカメ欲しいの?それならあげるよ。」

「はい?あの……」

「このカメラね、この前CM撮りした時に、宣伝の為なのかたくさん頂いてね。どうしようかと思っていたんだ。社さんにも1台渡したんだけど、まだ10台くらいは手元にあるし、俺1人で10台使うのは無理だから今度持って来るよ。」

「でも…」

あー、もう。しょうがない、フォローしてやるか。

「貰ってやって、キョーコちゃん。俺も貰ったし、デジカメって消耗品じゃないから沢山あっても使わないよ。それに、色の種類が多くてね、蓮が今日使ったのはアイスブルー俺のはシルバーなんだけど、

他の色のピンク・オレンジ・レッドなんて蓮は使わないと思う。…そうだ、琴南さんの分も貰って2人で使ってよ、宣伝にもなるからさ。それでいいよな、蓮。」

「社さんの言う通りだよ、最上さん。」

「モー子さんとお揃い。……あの…本当に頂いていいんでしょうか?」

「全然構わないよ、カメラの色確認しておくから好きな色選んでね。」

「はい、ありがとうございます、楽しみにしていますね。」

嬉しそうなキョーコちゃん。蓮、よかったな。

CMの打ち合わせや撮り時、メーカー側のスタッフが女性のみだった事や、仕事の後しつこく食事や飲みに誘われた事は黙っててやるからな。普通、宣伝の為とは言っても10台以上も高価な商品をくれるはずもない事も黙っててやる。それから、女性スタッフ達から貰った名刺の束、ちらっと見たが直筆メッセージ入りばかりだったな。カメラと一緒の紙袋に放り込んでたが、万が一にでもキョーコちゃんの目に触れないように処分しとけよ。



―――その後、デジカメの画像を確認しながら少し雑談して、移動の為楽屋を後にした。





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