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おいしい仕事?(10)




   おいしい仕事?(10)


あれから2週間。今日はキョーコちゃんが再登場する回の撮影が行われていた。

今回キョーコちゃんは貴島と蓮のマンションを訪れて、前回と同じように料理を作って食べようとした時、貴島が急に会社へ戻らないといけなくなり二人きりで食事をする事に。

食事中の会話で、キョーコちゃんが蓮に普段食べている物を聞くと、基本的に食べないし食べても〇〇インゼリーとか栄養食品と答える蓮に激怒して食の大切さを語る。と言う流れだ。

(と言うかこれって、ほぼ実際あったエピソードだよな?偶然か?)

「社さん?でしたよね、敦賀君のマネージャーの…」

自分の出演部分が終わった貴島が話しかけてきた。

「ええ。お疲れさま、貴島君。今日はこの現場で終わり?」

「もう少ししたら移動して雑誌の取材があります。」

「そうなんだ。じゃあ、急いで衣装を着替えたりしないと。」

「いえ、今日は自前なんで時間はあります。社さんに、お聞きしたい事があって…」

「えっ、俺に?蓮にじゃなくて?」

挨拶ぐらいしかした事ない俺に何を聞きたいんだろう。

「はい。京子ちゃんの事で。」

キョーコちゃん?何でキョーコちゃんの事を俺に聞くんだ?

「キョーコちゃんの何について聞きたいの?俺は同じ事務所だけどそんなに詳しくは知らないよ。」

俺の担当俳優が絶賛片思い中なのは知ってるがな!…まさかキョーコちゃんに興味持ったんじゃないだろうな?

貴島、君は「DARK MOON」の時キョーコちゃんを全く範疇に入れてなかっただろ!

「あの子ってLMEの秘蔵っ子ですか?」

何を聞きたいかよくわからないが予想外の質問。

「まあ、秘蔵っ子と言うか特殊な部署にはいるよ。どうしてそんな事を聞くんだい?」

「このドラマはアドリブの部分がほとんどだから、俺でもかなり緊張するけど、この前の撮影、新人にしてはいやに落ち着いていたなと思って。それに俺が敦賀君の名前を『蓮』と下の名前でしか呼ばなかったら彼女も合わせて『蓮さん』って呼んでた。」

「確かに『蓮さん』と呼んでたけど…自然過ぎて気にも止めなかったよ。」

「例の紗枝花って子は打ち合わせで『蓮』と呼ぶよう指示されたんだけど、本番では『敦賀さん』、『蓮』、と呼び方が一定しなくて…。監督は何度も注意したんですが、途中からは諦めて何も言わなくなったけです。社さんも試写会で見たんですよね?」

「…ああ、言われてみればそうだったかも。他にもたくさん変な所があったからね、聞き逃していたよ。」

「そうですね、たくさんありましたよ変な所が。できれば二度と共演したくないです。」

「貴島君にしては珍しく女の子に厳しいね、ああいう可愛い子がタイプじゃなかったの?」

「ん~。まあ外見だけはタイプですけどね、今は京子ちゃんの方が気になるかな。」

な、なんだとー。だから言っただろ、蓮。さっさと告白しろって!!いや、蓮に直接は言ってないか。あー、どうするんだ!厄介な奴がキョーコちゃんに興味持っちゃったじゃないか。

「彼女、本気で交際したくなるタイプですよね。料理上手で、礼儀正しいくて。この間の撮影で、秀人兄さんって呼ばれて、照れ顔で見つめられた時には思わず抱きしめたくなっちやいましたよ。」


――もう、だめ…だ。静かに怒り狂う蓮の姿が浮かんでき…た。



「あ~あ、あれで彼氏持ちじゃなかったらなぁ。」

…えっ?キョーコちゃんに彼氏?

「ち、ちょっと、待って貴島君。キョーコちゃんに彼氏って、どういう事?」

「敦賀君。京子ちゃんの彼氏でしょ?」

蓮がキョーコちゃんの彼氏?本人が聞いたら喜ぶだろうが、このまま貴島に勘違いしててもらった方がいいのか…いや、後々まずい事になるかもしれない。

「貴島君、蓮はキョーコちゃんの彼氏じゃないよ。」

「えっ、そうなんですか?俺の思い違いかな、二人はそういう関係だと思ったんだけど。」

何を根拠にそう思うんだ?蓮は表面上態度に出した事はないし、(俺の前ではあるが)キョーコちゃんは普通に蓮と接している様に見えるが…。

「貴島君、どうしてそう思ったの?」

「この間、撮影前にキッチンの確認をしたじゃないですか。その時京子ちゃんが言ったんですよ『敦賀さんのお宅にあるシステムキッチンと似ているので大丈夫だと思います。』ってね。つまり敦賀君のお宅に行って料理を作った事があるって事でしょう?」

うっ。確かにあるが付き合ってる訳じゃない。代マネの話し…駄目だ看病の為とはいえ泊まったなんて誤解の元になる。

「あるよ、会社の指示でね。仕事として料理を作っただけで二人は付き合ってないよ。」

「ふ~ん、そうなんだ。それはそれで面白いですね。」

「面白いって何が?」

写真週刊誌に情報提供でもする気か?

「だってそうでしょう?女性に興味を示さない敦賀君が京子ちゃんだけは可愛いがってるし、この前だって事情を隠して彼女に気を使ってた。新人だったら撮影した映像が使われないなんてよくある事。敦賀君が京子ちゃんを大事に思ってる証拠だと思いますけど?」

貴島、君の言う通りなんだが、それを認める訳にはいかないんだよ。

「う~ん。そういう考え方もあるんだ。貴島君にそう見えただけだと思うけどね。」

「…まあ、そういう事にしときましょうか。参戦も考えたが見てる方が面白そうだ。すぐに、二人は出来上がると思うし。おっと、マネージャーが迎えに来た。じゃあ、お先に。お疲れさまでした、社さん。」

「ああ、お疲れさま。次の仕事頑張って。」

軽く会釈しながら遠ざかって行く貴島の姿が見えなくなると、自然にため息が出た。参戦しないのは助かるが、すぐに二人は出来上がるねぇ…。

恋愛オンチ&ヘタレの蓮と愛の欠落者&天然記念物的乙女のキョーコちゃんだぞ。出来上がるまでどれだけの時間がかかるか想像もつかないよ。

どうすれば二人の仲が進展するのか考えているうちに俺は思考の迷路に迷い込んでいった…。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




キョーコちゃんは蓮に対して絶対的な信頼はあるんだけどなぁ。

蓮は蓮で一応アタックはしてるんだが、事々くスルーされているもんな…もっと直接的に攻めないといけないのか?

「…さん、社さん!」

ん?呼ばれた?顔を上げると蓮とキョーコちゃんが目の前にいた。二人がいるって事は撮影は終わったんだよな?

「ごめん、ごめん。ちょっとスケジュールの事を考えてもんだから。二人共お疲れさま。」

ごまかして答えたがスケジュールが変更に次変更で調整が大変なのは本当なので二人も変に思わなかったようだ。

「社さん、お疲れじゃないですか?大丈夫ですか?」

キョーコちゃんが心配そうに聞いて来たが「大丈夫だよ。」と答えるとホッとした顔をした。

そして「少し待ってて下さい、スタミナジュースを作って来ます。」と言ってパタパタとセットのシステムキッチンへ走っていった。

こういう気遣いが出来る子だから、仕事が増えるに度に興味を持つ奴が増えて、その中にはちょっかい出す奴もいるんだろうな。

今回の仕事はいろんな所に影響を与えて、キョーコちゃんにも仕事の依頼が多数きている。

(蓮は今まで来た事のない食べ物のCM出演の依頼が来た。)

ドラマの終盤に流れたシステムキッチンのCMは反響がすごく、注文や問い合わせが殺到しメーカーは嬉しい悲鳴をあげているらしい。

手際よく料理するキョーコちゃん、その料理を美味しそうに食べる蓮と貴島の映像が視聴者の心を掴んだとメーカーの広報部に分析されていた。

システムキッチンだけではなく、キッチン用品全般についてテレビ局に問い合わせがあり、キョーコちゃんが着ていた割烹着の製造メーカーまで聞く視聴者もいたそうだ。

キョーコちゃんがスタミナジュースとやらを作っている間に、また考え込んでると今度は蓮に声をかけられた。

「社さん、本当に大丈夫ですか?ここの所、頻繁にスケジュールが変更になってるし、もう一つの仕事が公に出来ない分調整も大変なんじゃ…。」

「大丈夫だよ、蓮。ちょっと、ぼっーとしてただけだから。」

「それならいいんですけど…。」

いらぬ心配をかけてしまったと思っていると、蓮は続けて言った。

「…社さん、最上さんが作ってくれてるスタミナジュースですが、覚悟を決めて飲んで下さい。」

「はぁ?なんでジュースを飲むのに覚悟が必要なんだよ。」

「…一度飲んだ事がありますが、この世の物とは思えない味です。」

蓮がキョーコちゃんの作った物にここまで言うって…一体どんな味なんだ?

「社さん、出来上がったようです。最上さんが戻って来ます。」

キョーコちゃんがジュースの入ったコップを手に俺の前でにっこり微笑んで「どうぞ」と差し出した。

わざわざ俺の為に作ってくれた物を「いらない」なんて言える訳もなく「ありがとう」と言って受け取る。

どんな味でも一気に流し込めば何とかなるはず。そう思いコップに口をつけゴクゴクと喉に流し込むと…ん?フルーツの味がして美味しい。残りは味わいながら飲み干した。蓮の奴、嘘を教えたな!

「キョーコちゃん、ありがとう。とっても美味しかったよ。」

にっこり笑うキョーコちゃんの横で蓮がピリッとした空気を発し始めた。

「…最上さん、どうして社さんに作ったスタミナジュースは美味しいのかな?」

蓮の雰囲気と口調にアワアワしながらキョーコちゃんが答えた。

「あ、あの、今日は敦賀さんに作った時の材料と違ってフルーツ中心に作ったんです。」

「ふ~ん。」

「だ、だって、ケールやゴーヤなんてここにはありません。そ、それに栄養価は敦賀さんに作った物の方が、ずっと高いんですよ。」

「…じゃあ、次俺に作る時も美味しくして。」

なんていう我が儘、独占欲。お前子供か?蓮。

「わ、わかりました。出来るだけ努力します。」

蓮は、キョーコちゃんの「出来るだけ」言葉に少し不満を示したものの、もう一度「約束したからね。」と念押しして、移動の為に駐車場へ向かった。





…………………………………


文字数越えてしまいました。後、少しなんですが…。すみません短いんですけど、もう(11)にしちゃいます。

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