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蓮の苦悩 ~社さんの恋人編(後編)~




   蓮の苦悩 ~社さんの恋人編(後編)~


―――数日後。

最上さんからメールが送られてきた。内容は『敦賀さんのお仕事が早く終わる日でいいのですが、パソコンをお借り出来ないでしょうか?』だった。

何にパソコンを使うのかわからないが、最上さんが自分から自宅に来たいと言ってるのを断るはずもなく。

『今日、夕方事務所に寄ります。最上さんもいる時間だよね?その時、鍵を渡すから遠慮しないでいつでも自由に使って。』

いずれ渡そうと思っていた鍵を渡すチャンスに俺は飛び付いた。

夕方事務所に着くと待ち合わせしているラブミー部の部室に向かい、鍵を受け取ってもらえるか多少不安に思いながら最上さんに渡した。

「お借りします。マンションに伺う時は連絡しますね。」

最上さん、これは貸すんじゃなくて君に受け取って欲しいんだよ、俺は。

「いつ来てもいいよ、それと…その鍵、返品不可だから。」

俺の言葉に一瞬ぽかんとした後、顔を赤らめてワタワタし始めた最上さん。

「えっと、あの、私が持ってていいんでしょうか?」

上目使いで聞いてくる最上さんの表情を可愛く思いながら、俺の思いを伝えた。

「うん、君に持ってて欲しい。まだ先の話しだけど俺の所に来てもらうから、今渡すのは少し早いかもしれないけど受け取ってくれる?」

最上さんはさっき以上にワタワタしながら、顔どころか手まで真っ赤にして「はい。」と答えてくれた。

「ありがとう、受け取ってもらえて嬉しいよ。」

彼女の言葉に飛び上がって喜びたい気持ちになり俺が笑顔になると、最上さんもにっこり笑い返してくれた。

今、彼女と二人きりのこの場から離れたくなかったが、次の仕事に向かう為に後ろ髪引かれる想いでラブミー部の部室を後にした。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




翌日、最上さんから『昨日はありがとうございました。早速ですが今日の夕方パソコンを借りにお邪魔してもいいでしょうか?』のメール。

『邪魔なんてとんでもない、俺は今日9時には帰宅できそうなんだけど、それまで待っててくれる?』彼女のYesの言葉を期待して急いで返信する。

送信後すぐに返ってきた彼女からのメールに、今日、一日とてもいい気分で仕事が出来そうだと思いながら携帯を閉じた。


『夕食の準備をして待ってます。車の運転に気をつけて帰って来て下さい。』




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




帰宅すると最上さんが出迎えてくれて、すぐに食べられるよう準備してあった食事を二人で談笑しながら美味しくいただいた。

食後のコーヒーを飲みながらパソコンで何をしていたのか最上さんに聞いてみる。

「そういえば、パソコンで何か調べたい事でもあったの?」

最上さんが欲しい物でもあればプレゼントしようと聞いてみると、思いも寄らぬ事を説明された。

「はい、先日たまたまバラエティー番組でA/I/B/Oと言うペットロボットの紹介をしているコーナーがあってそれを見て社さんにどうかな?と思いまして。もう生産されてなくて新品を購入するのは高額になるので無理なんですけど、中古の古い物なら私でも何とか購入出来そうなので。」

「えっ、社さんに?」

社さんの為に調べてるというのは気に入らないが、機械類は社さんには…

「社さんって機械クラッシャーじゃないですか、それで社さんにも扱えるようにA/I/B/Oにカバーを作ろうと思って調べていたんです。」

「カバー?」

最上さんの話しがわからず言葉に詰まっていると、彼女は更に説明を続けた。

「A/I/B/Oに合わせて型を取って、ラバー(ゴム)で外側を作り、それにポリエステルの人口毛を使って植毛すれば本物の犬に近い物が出来ます。材料を揃えに行く時にペットショップにも調査に行った方がいいかな。」

「調査?」

「はい、リアルに作る為には、やはり本物を見て作り方を決めないと。」

ちょっと、待て。リアルって、マリアちゃんの誕生日にプレゼントした俺の人形みたいにリアルに作る気か?アレは確かに出来はいいが、あまり気持ちいいものではないぞ。しかし、正直に話しては最上さんが落ち込むのが目に見えているし…。

「最上さん、君が精巧にぬいぐるみを作れる事は、よくわかっているよ。ただ精巧なゆえに、それを見ていると本物の犬を飼いたくなってしまうんじゃないかな?それにいくら本物に近いとはいえ機械的な動きをするし、充電する時には機械に触れないと充電出来ないよ。」

「…あっ、本当だ。結局機械に触らないといけないし、敦賀さんのおっしゃる通り本当の犬が飼いたくなるかもしれません。いい考えだとおもったのですが…。」

目に見えてしゅんとする最上さんに声をかける。

「この前も言ったけど社さんの為に力になれる時が来たら二人で頑張ろう。ね、最上さん。」

「はい。一人で突っ走ってしまってすみませんでした。今日お話しして、敦賀さんのお宅で製作作業させていただけるかご相談するつもりだったのですが、また何か思いついたら改めてご相談します。」

ここで製作作業をするなら頻繁にここに来るという事。それは嬉しいが、最上さんの手づくりの物を俺以外に作る事も渡す事も反対だ。

「わかった、何でも相談して二人で決めて行こうね。それと、理由がなくてもいつでもここに来ていいんだからね。」

本当は抱きしめたいが、それ以上の行動に出そうな俺は、片手で最上さんの手を取り握りしめ、片手で頭をポンポンと撫でた。

彼女は頬を赤く染め両手で俺の手を挟むように握り返しながら「はい。」と答えてくれた。



その後、二人で後片付けをして最上さんを下宿先の「だるまや」まで送って行き、おやすみの挨拶をして彼女が「だるまや」の中に入るのを確認してその場を離れた。

自宅に向かって車を走らせながら俺はこれからの事を考えた。社さんには早々ではなく、早急に、出来れば明日にでも彼女を見つけてらわねば。

最上さんが俺だけを見てくれる日が来るのを一日でも早くする為に…。

苦悩の日々を終わらせるよう、早速明日から行動する事を心に誓った。




                    おわり。




……………………………………


更新遅くなりすみません。「あるカップルの日常」でボツにした前半部分のネタで続きが書けるかもと思ったのが間違いで、全然駄目で時間だけが過ぎていきました。

携帯のニュースでA/I/B/Oの生産かメンテナンス受付が終了と言う記事を見てこのお話が出来ました。

使いたかったエピソードがあるので機会があれば続きを書きたいと思います。(こんなオチのない話しですが、蓮の苦悩シリーズとして)

A/I/B/Oの名前を大丈夫かな?と思いながら載せましたが、駄目な時は指摘して下さい。その時変更します。

本誌&ファンブックを読まれてない方へ。ハッピーグレイトフルパーティーの時に、キョーコがマリアちゃんに蓮のリアル人形を着せ替え仮面付きでプレゼントしてます。大きさはマリアちゃんより少し小さくて、キョーコがすんごくリアルに作ってます。

今回のお話しの中で蓮が言っている人形はその人形の事です。


では今日はこの辺で。次回は新しい連載物になります。明日から頑張ってぼちぼち書いていきますのでしばらくお待ち下さい。

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