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足りないカケラ 前編

※読まれる前に。

来て下さってありがとうございます。このお話しの後編に微量のネタバレになるかならないか程度の文があります。本誌を読んだ方はニュアンスが少し伝わりやすいかな?の程度です。内容を知りたくない方はコミック(多分次の次です。少し長いですね。)発売までお待ち下さい。それでもいいよ、の方は下記へお進み下さい。


















   足りないカケラ 前編


―某日「Dark Moon」の打ち上げが行われた。―

視聴率歴代1位を記録したドラマ、主要キャストの百瀬逸美や京子など未成年者が多数出演していた為、夕方からアルコール抜きのパーティーが一次会、未成年者を帰して飲み会が二次会と二部構成になっていた。

勿論、一部の者は三次会、四次会と飲み歩くだろう。それもそのはず、視聴率が取れない近年で過去を塗り替える記録を作ったドラマだ、スポンサーは元よりテレビ局も打ち上げにかなりの額を出してくれたのだ。

キョーコはその日、BOX-Rの撮影が押してギリギリに会場に着き、入口で待機していた社に会場内での立ち振る舞いについて幾つか注意を受けた後、二人で会場に入った。

会場では緒方監督の挨拶が終わり、みんなで乾杯する所でキョーコと社もそれに加わる。

最初は皆決まった席で食事を取っていたのだが一通り食事が済むと、あちこちでグループが出来それぞれ話しが弾んでいた。

出演者、スタッフ共に一つの仕事をやり遂げた達成感で一次会からかなり盛り上がり…終盤を迎える頃には、これでアルコールは入ってないのかと思う程で、店側が用意してくれたカラオケでは一部の者が得意な歌を披露している。

挨拶にまわっていた社は、目の端にマイクを持ってカラオケのミニステージに立っているキョーコが見えた。

――えっ、キョーコちゃん歌うの?

イントロが流れてきてキョーコが歌った歌は…「不破尚」の曲…だった。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




一次会が終わり、手配してあったのか、社長の車で社さんと事務所に向かう。一人で帰れますと言ったのだが、「今日は単独行動は駄目だよ」と聞き入れてもらえず…。

何で今日は駄目なのかわからないまま、車の中で一次会の事を社さんに聞かれて、話しをしている間に事務所に着いた。

駐車場に止めてあるミューズ専用車まで社さんと二人で行って

「お疲れさまキョーコちゃん、蓮は遅くなると思うから待たないで先に休むんだよ。」

そう言われて預けていた携帯電話を渡され、社さんは敦賀さんのいる二次会へと戻って行った。

私は雪花の姿になり、先程乗ってきた社長の車でホテルに向かった。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




三次会で席を辞して社長の車で社さんと事務所に向かう。車中で最上さんの話しを聞かされた。

「蓮、今日一次会で一曲歌うようにしつこく進められたか?」

「…ええ、進められましたがそれが何か?」

「キョーコちゃん蓮が困っているように見えて、それで自分が志願したそうだ。自分から歌うと言ったものの、音楽なんてほとんど聞かないし、歌える曲がなくて仕方なく不破の曲を歌ったそうだ。」

「…それにしては振りまで付けて歌ってましたね。」

「ああ、本人は落ち込んでたよ。

『忘れ去りたい過去の汚点を皆の前で晒してしまった、敦賀さんが歌うのを阻止する為とはいえあんな奴の歌なんて…。』

だからな、蓮。キョーコちゃんを問い詰めたり、虐めたり、からかったり、するなよ。逆にお礼言ってもいいくらいなんだからな。」

「…お礼…ですか?」

「そう、お礼。俺はお前が打ち上げで歌わないし、上手く断れると分かっているが、キョーコちゃんは違う。彼女なりにお前を庇ったんだから。」

「…そうですね。」

「気のない返事だな?」

「いえ、気がない訳じゃなくて…実は、社さんの話しを聞くまで最上さんが歌った曲が不破の曲だとは知りませんでした。」

「…な、なんだと!?」

じゃあ、今、俺が話した事は、ただ蓮の機嫌を下降させただけ…。

「それに俺に歌えと迫って来たスタッフは、一次会が始まる前に飲んで来たのか既に酔っ払っていて、何回も断ったんですが全然引いてくれなくて困ってました。

最上さんが志願してくれて助かりましたよ。ホテルに帰ったら彼女にお礼を言わないといけないですね。」

不破の名前が出たのに反応なし?最近キョーコちゃんと行動する事が多くなって不破の存在感が薄れて来てるのか?よくわからないが、機嫌を損ねなくてよかった。

「そうしろ、キョーコちゃんには先に休むように言ってあるから、明日にでもな。…それにしても、昔聞いた曲とか、小さい頃に親に歌ってもらった曲や子守唄とかでもよかったのにな。今は色んな曲カラオケに入ってるし。」

「…そう…ですね。」

東京に出て来て不破に捨てられるまで、旅館の手伝いや不破の世話で曲を聞く暇などなかったのだろう、大好きなショーちゃんの曲以外は。

それに…小さい頃、親に子守唄を歌ってもらった経験があるのだろうか?昔、河原で会った彼女からは想像出来ないが…。

社さんが言った事に考えを巡らしていると別の話を始められた。

「キョーコちゃんもこれからは打ち上げとかのパーティーに出席する機会が増えるだろうけど、今日の調子じゃ心配だよ。」

「心配?カラオケがですか?」

お前がいない場所でなら不破の曲だろうが誰の曲だろうが何でも歌って構わないんだよ!

「違うよっ。キョーコちゃんに群がった男達の話だよ。」

「ああ、あれですか。」

「…あっさりだな、気にならなかったのか?」

気にならない所か、会場から連れ出したかったですよ。無理矢理にでも…。

「社さんが全力で蹴散らしてましたから安心してました。」

「キョーコちゃんが『ナツ』スタイルのまま会場に現れると思わなかったからな。椹主任からも初めての打ち上げだから面倒みてやってくれと頼まれてたし。キョーコちゃんの携帯、預かってて正解だったよ。」

そんなに最上さんの連絡先を聞いてきた奴が多かったのか…。

「…大変でしたね。」

「まあ、一番厄介な奴が二次会からの参加だったから何とかなったよ。」

一番厄介な奴…貴島…か。

「キョーコちゃん、危機感というか危険感とか全然感じてなくて、顔に下心ありますって書いて近づいて来てるのに笑顔で対応するし、帰る時なんて送り狼のオーラ出してる奴らが周りにいるのに一人で帰るなんて危ない事言うから慌てたよ。」

「…そんなに…ですか。」

「ああ、キョーコちゃんのこれからの事を考えると椹主任からでも、指導とかの形で注意してもらった方がいいかもな。」

「そうですね、これから仕事も増えて、比例して危険も増えるでしょうから。」

「そういう事だな。椹主任には俺からお願いしておくよ。」

「頼みます。最上さんには俺の方からも、少し話してみます。」

「そう………蓮!」

「はい?」

「いい考えが浮かんだぞ!お前、キョーコちゃんをラブミー部から卒業させてやれ!」

「…社さん、どこがいい考えなのかさっぱりわかりませんが。ラブミー部の卒業に関しては社長が決める事でしょう?」

「お前がキョーコちゃんと両思いになれば社長も卒業させるさ。卒業すればマネージャーも付く。キョーコちゃんに近寄ろうとする男達を排除できる、一石二鳥だ。」

「…社さん、そう簡単には…」

「キョーコちゃんの為だ!お前、キョーコちゃんを何処の誰かわからない奴に横取りされてもいいのか!!」

「横取り…って。最上さんは俺の『物』ではないですよ、社さん。」

「そんなの分かってるよ。もし、キョーコちゃんが他の奴に掻っ攫われたらお前は絶対に後悔する。そうならない内にさっさと行動に出ろ!

…一応、キョーコちゃん未成年だから行き過ぎた事するなよ!!…まあ、万が一そうなってもお前が責任とればいいから問題ないか。」

「…いろいろ…問題ありそうですが…社さん。」

行動しろと言ったり、行き過ぎるなと言ったり、どっちなんですか!社さん。はっきり言って箍が外れたら止まれる自信なんてゼロですよ。

「その問題を乗り越えないとキョーコちゃんは手に入らないぞ!…と、この話はここまでだ、事務所に着いた。俺は書類を片付けてから帰るから、お前も気をつけてホテルへ向かえよ。

明日からキョーコちゃん落とせるよう努力しろ。それから、念を押すがカラオケ件、責めたりするなよ、キョーコちゃん偉く気にしてたから。」

「前者の方は、なんとも応えようがありませんが、後者の方は責めたり怒ったりしませんから安心して下さい。」

「…はぐらかしたか。まあ、この話はまた今度。今日はお疲れさん、時間も遅いし、早く休めよ。」

「はい、お疲れさまでした、社さん。」

言いたい放題のマネージャーは、最後の気遣いを忘れずに挨拶して事務所の奥へと消えた。

社さんと別れた後、ジェリーウッズの専用車でカインに変わりホテルへと向かう。

その間、最上さんの事を考えていた。社さんに言われた事も含めて…。





                   後編へつづく。





……………………………………


文字制限が…足りなかった。後編、一応出来てますのでこの後、更新します。
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