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足りないカケラ 後編

※読まれる前に。

来て下さってありがとうございます。このお話しの後編部分に微量のネタバレになるかならないか程度の文があります。本誌を読んだ方はニュアンスが少し伝わりやすいかな?の程度です。内容を知りたくない方はコミック(多分次の次です。少し長いですね。)発売までお待ち下さい。それでもいいよ、の方は下記へお進み下さい。













   足りないカケラ 後編


先にホテルへ帰って、ゆっくりお風呂を済ませた後、今日の事がいろいろ頭に浮かんで来た。

会場に入る前に社さんから注意を受けて…。

「連絡先を聞かれたらキョーコちゃん個人のは絶対に答えたら駄目だからね、事務所の番号を言うんだよ。

出来るだけ俺がキョーコちゃんの側にいるようにするから、蓮はあちこちに顔を出さないといけないし、キョーコちゃんの側にずっといる事が出来ないから。

それから会場の外に出ちゃ駄目だからね、何かあって外に出る時は俺に報告して。ああ、一応携帯預かっとくか。聞かれたら『壊れて修理に出すよう事務所に預けてあります。』って言うように、いいね!」

社さんが、凄い勢いで言うからコクコクと頷いて携帯を渡した…けど。

確かに連絡先を聞いて来た人もいた。でも、百瀬さんや大原さんの連絡先を聞くついでに私にも聞いただけで、実際に連絡してくる事なんてないのに…。

百瀬さんと大原さんは「社さんが近くにいてくれてよかった、パーティーが楽しめたわ。」なんて言ってたけど、社さんの事、好きなのかしら?

〔打ち上げの場は気が緩んで、普段は話しが出来ない女優陣にアタックしてくるスタッフやチョイ役俳優が多いのだが、社がいた為、近づけずに遠巻きに見ていたのだ。〕

〔それでもかなりの数の男達が連絡先だけでも…と寄って来た事をキョーコは全く気付いてなかった。〕

社さんが言った事はよくわからなかったけど、パーティーは楽しかった…カラオケ以外は…。

敦賀さんが歌うのを阻止する為とはいえ、バカショーの曲を歌うなんて…でも、他に歌える曲なんてないし…。

あの時、敦賀さん日本語で歌える曲あるのかな?と思ったら、私が歌いますなんて勢いで言ってしまったけど…余計なお節介だったかな?

よく考えると別にカラオケで外国の曲を歌ってもおかしくないかも…敦賀さん、特技は英会話だし。私、無駄な事した上に復讐を誓った相手の曲を振り付きで歌った、馬鹿だ。

唯一の救いは、敦賀さんから怒りや侮蔑のオーラが出てなかった事…あれが、バカショーの曲だと気付いてないのかもしれないし…。

思考の迷路に迷い込んでいると、「カチャ」とドアの開く音がしたような気がして…目を向けると敦賀さ…カインがいた。

…えっ?今、何時なの?そんなに長くボーと考えてたの、私!?チラッ時計を見ると夜中の2時!

カインは私に近づいて来て「ただいま、まだ起きてたのか?遅いから寝ろ、いいな。」そう言って頭をポンポンと撫でた。

「お、お帰りなさい、今日はお疲れさまでした。」

し、しまった!これじゃあ、最上キョーコの挨拶だ。

「シャワー浴びてくるから、お前はもう休め。今日はありがとう、助かった。」

…えっ、今日のパーティーの事?

問い返す前にカインはバスルームに消えていた。

……なんか変だった、いま、明らかに私は『セツカ』じゃなかったのに、敦賀さんが気付かない訳はない。

なのに、『今日はありがとう、助かった』…カインの口調だったけど、カインじゃなかった。敦賀さん自身の言葉に聞こえた。

気のせいよね…多分。だって、敦賀さんだもん。私みたいに、役が抜ける事なんてあるわけがないよ…ね。

そんな事を考えているとバスルームのドアが開き中からカインが出て来てた。

ベットサイドの時計に目をやると15分程たっている。うっ、ベットに入っとけばよかった。

「…まだ起きてたのか。」

「兄さんがお風呂で溺れないか心配だったから出るまで待ってただけよ、もう寝るわ。」

よし、今度は『セツカ』で応えられた。冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、カインに渡す。

無言のまま、渡されたミネラルウォーターを飲むカイン。

うん、ちゃんとカインだ。やっぱり、さっきのは私の気のせいね。

「おやすみ、兄さん。」

挨拶をして自分のベッドに足を運んだ…はずだった。

目の前に白い物が見えたと思ったら、それはシーツで、グルグル巻きにされ…敦賀さんの膝の上にいた。

「…セツ、俺の事、待ってて寝なかったんだろう。お前が眠るまで、側についててやるから。」

敦賀さんの肩にある私の顔に、敦賀さんの顔が近づいて来て…耳元で囁かれた。

も、最上キョーコなら暴れて腕の中から逃げ出すけど、『セツカ』なら…どうしたらいい…の。

…ん?…耳元から何か聞こえる。…う、歌だ、小さな声で、敦賀さんが何か歌ってる。

どこかで聞いた事あるメロディ…た…ぶん、外国の子守唄だ。詩は知らないけどメロディは知ってる。

敦賀さんの優しい歌声が耳に響き、体の緊張が「ふっ」と抜けていった。すると今度はメロディに合わせて「トン…トン」と背中を撫でるようにたたかれた…子供をあやすように。

…心地いい、少しずつ体の力が抜けていく、守られた繭の中にいるみたい。子供ってこうやって親に寝かしつけてもらうの…?

――この中で、守られて眠っていたい。

睡魔に襲われながら「セツカ」としての立ち振る舞いや敦賀さんに抱きしめられている恥ずかしさを忘れ、最後に「…敦賀さん英語で歌っ…てる」微かに頭に浮かんで眠りについた。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




ホテルに着き、部屋のドアを開けると最上さんが起きていた。

彼女に近づいて「ただいま、まだ起きてたのか?もう遅いから寝ろ。いいな。」そう言って頭をポンポンと撫でた。

「お、お帰りなさい、今日はお疲れさまでした。」

彼女は『最上キョーコ』として応えた。いつもならダメ出しをする所だが、ドアを開けた時の眉尻の下がったなんとも言えない表情を見たら、ダメ出しする気にはならなかった。

「シャワー浴びてくるから、お前はもう休め。今日はありがとう、助かった。」

自分も、中途半端に『敦賀蓮』で応えたままバスルームへ行った。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




…シャワーを浴びながら、車の中で考えていた事に自分なりの結論を出し、バスルームを後にした。

部屋に戻ると、さっきの場所に立ったままの最上さん…。

「…まだ起きてたのか。」

「兄さんがお風呂で溺れないか心配だったから出るまで待ってただけよ、もう寝るわ。」

今度は『セツカ』として応えた、最上さん。

冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、渡してくれた。無言のまま、渡されたミネラルウォーターを飲む。

彼女はあの場所に固まったまま、何を考えていたのだろうか?

「おやすみ、兄さん。」

挨拶をして自分のベッドの方へ足を運ぶ最上さんを見て、無意識の行動に出ていた。

自分のベッドのシーツを掴んで彼女をシーツで包み込み…ベッドに腰掛けて膝の上で抱きしめた。

自分の行動に動揺しながら最上さんの耳元で囁やく。

「…セツ、俺の事、待ってて寝なかったんだろう。お前が眠るまで、側についててやるから。」

彼女も『最上キョーコ』なら腕の中から抜け出すだろうが、『セツカ』としてどうするか考えている風だった。

彼女が考えている間に自分の思考を立て直し、決心した事を実行する。

彼女の耳元で囁くように歌う…自分が幼い頃に親から歌ってもらった子守唄を。

歌っていると、彼女の体から「ふっ」と緊張が解けて俺の体に身を預けてくれた。

それに気を良くした俺は、歌いながら、彼女の背中を「トン…トン」と撫でるようにたたいた…子供をあやすように。

彼女の体から少しずつ力が抜けていき、俺の体に彼女の重みが感じられた。

それからしばらく抱きしめたまま歌っていたが、彼女が完全に眠りについたのを確認して、彼女のベッドに向かう。

起こさないように静かにベッドに横たえ、包んでいたシーツを彼女の体から外す。

上掛けを被せ、外に出ていた手を上掛けの中へと持ち上げた時、彼女の手が俺の指を「ギュ」と掴かんだ。

起こしてしまったかと顔を見ると、スヤスヤと穏やかな寝顔…。

ホッとして掴まれてない方の手で彼女の頭を撫でながら、語り始めた。


最上さん、今日は庇ってくれてありがとう。君には守ってもらってばかりだね。

今日、社さんに君を落とせと焚き付けられてね、着ぐるみの鶏にも同じ事を言われたのを思い出したよ。

…本音を言えば今すぐにでも君が欲しい…でもね、それじゃ駄目なんだ。

俺は君の一部だけじゃなくて、君の全てが欲しい。

だから、決心したよ。君を全てを手に入れる為に行動する事を。

君が無くした心のカケラや、得られなかった心のカケラ、俺が癒して埋めていくから。

これから先、君が大切なもの失わないように、俺が君の側にいる。

ずっと、ずっと君を守っていくから。

これからは俺に君を守らせて。

囁くように語りかけていると最上さんの指から力が抜けて…その瞬間、彼女が微笑んだような気がした。


最上さん、君が好きだよ。いつか必ず君の全てをもらうから、待っていて。


彼女の頬にキスを落とし、耳元で囁いて、長い一日を終えた。





                   おわり。





……………………………………


あり?コメディーのはずだったのに。

途中からコメディーじゃなくなって来たのでアチコチ手を入れてたら長くなって、遅くなりました。すみません。

後編の後半は社さんのように砂が口から出そうなりながらポチポチと携帯のキーを、たたいていました。

説明ばかりになるので切った部分が何ヶ所かあるのですが、いくつか忘れました。覚えているのは

●移動の車の中で他の人には聞かせられない話しをするので社長の車にした。

●社長の車は運転席と後部座席が防音パネルで仕切ってある。

●キョーコをシーツでグルグル巻きにしたのは直接抱きしめると我慢出来ないから。

後は忘れました。入れた方がわかりやすいのかもしれないけど、上手く入れられなかったんです。すみません。


◆これ書いてる間に携帯の受信メールが自動削除されてしまい2日程かけてバックアップしていたデータの中から探しました。超、面倒臭かったです。

自動削除Offにしてあったのに!勝手に自動削除になってた。

多分、全部掘り出せたと思います。集めたパスワードとかURLばかりだったので探せてよかった。整理整頓しなきゃいけないんですけどね。

皆様もデータの取り扱いにはご注意を。バックアップはした方がいいですよぉ。


ポチッと拍手ありがとうございます。今日は更新だけですが、お返事は近々しますね。


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