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君の名は… (後編)

※読まれる前に。

すみません、またもネタバレ含みます。26巻から本誌1号へのネタバレです。ある1シーンなんですけど…コミック発売まで知りたくない方はしばらくお待ち下さい。ネタバレOKの方は下記へどうぞ。













   君の名は… (後編)


社さんと二人して後部座席を見ると、最上さんはポロポロと涙を流していた。罪悪感でいっぱいの俺は言葉をかけられない。

「キョーコちゃん、蓮がキツイ事言ってごめんね。庇う訳じゃないけど、蓮は蓮でキョーコちゃんの事が気になって、つい言い過ぎてしまったんだ。俺からも謝るから許してやって。」

泣いていて声の出せない最上さんは下を向いたまま、小さく頷く。

「ごめん最上さん、言い過ぎた。」一言だけ謝った…俺の言葉にも小さく頷いてくれた彼女に少しだけホッとした。

「許してくれてありがとうキョーコちゃん。一つ聞きたい事があるんだけど質問していい?」

優しく話しかける社さんの言葉に頷く最上さんを見て、自分がした事に自己嫌悪を覚える。

「キョーコちゃん、さっきの話、聞いてて思ったんだけど『非通知で掛けてくる大切な人』って蓮の事?」

…えっ?「大切な人」は俺であるはずがないのに、どうして社さんがそんな質問をするのか分からない。社さんから最上さんに視線を移すと彼女は下を向いたまま微動だにしない。

「キョーコちゃん、乗りたくないんじゃなくて、乗せたくないって言ったでしょ?乗せたくないに当て嵌まるの蓮だけだと思うんだけど、どうかな?」

ほんの少しだけ首を縦に動かした最上さんを見て、俺は自分がとんでもない事をした事にやっと気が付いた。

「…やっぱり、そうか。」

社さんはため息をつきながらそう言うと、俺の方に向き直りキツイ口調で叱り付けた。

「蓮、キョーコちゃんを泣かせるような事になったのは、お前のせいだからな。大体『大切で特別な後輩のキョーコちゃん』に非通知で電話を掛けるなんて失礼極まりない!

お前がキチンと番号を通知して掛けていれば、今回の件は何も問題なく非通知を無視すればいいだけだったのに。全てお前が悪い!」

全く、その通りで返す言葉もなく黙って叱られている俺。

「や、社さん、敦賀さんを叱らないで下さい。私が悪いんです。唯の後輩の私ごときが、敦賀さんから電話をいただく事が嬉しくて…番号通知のお願いしたら、もう掛けてもらえないと思って言い出せなかったんです。」

俯いていた顔を上げ、あんなにキツイ言葉を投げ付けた俺を庇ってくれる最上さん。嬉しいけど、俺から君に連絡しなくなるなんて有り得ない…。

「だから敦賀さんは悪くありません。全部、私が悪いんです!」

そう言い切る最上さん。

「最上さんは、何も悪くないよ。悪いのは非通知で掛けてた俺だから。」

「そうそう、蓮の言う通り蓮が全部悪い。」

自分の好きな子に非通知で掛けるなんて!これだから恋愛オンチは…もっとアピールしないと、お前の気持ちはキョーコちゃんに伝わらないぞ!

「本当にごめんね、最上さん。俺に償うチャンスをもらえるかな?」

「つ、償うなんて、とんでもない。今、謝って下さったのでも十分過ぎます。」

「キョーコちゃん!そんな簡単に許しちゃだめだよ。アッシー、メッシー、貢ぐ君、いくらでもいいから蓮を使って!」

蓮にとっては苦痛じゃなくて、至福の一時だろうけどね。

「…はい?アッシー?メッシー?ミツグクン?って何ですか?社さん。」

「社さん、俺もわかりません。何ですか、それ?」

「えっ、知らない?キョーコちゃんはともかく、蓮も知らないのか?」

「はい」と声を揃えて返事をする二人。俺も社会人になってからは、聞かないから二人が知らないのも当然と言えば当然か。

簡単に説明すると、キョーコちゃんは「敦賀さんにそんな事をしていただくなんて」と恐縮し、蓮は黙って微笑んでいた。上手い口実を見つけたとでも思っているんだろう。

「まあ、それは置いといて、キョーコちゃん携帯の番号変わったんだよね。」

「はい、今日変えていただきました。」

「俺と蓮、新しい番号登録させてもらってもいいかな?」

「はい、もちろん!」

事もなげに最上さんの携帯電話番号を聞き出す社さんに少し嫉妬してしまう。

最上さんがバッグから携帯を取り出し、赤外線機能を使ってデータを送ってくれた。登録後、番号通知になっているか社さん俺の順で最上さんに電話すると、社さんと俺の名前がディスプレイにしっかり表示された。

それを確認した最上さんは、嬉しそうに笑う。

社さんが「これで非通知を無視出来るね」と最上さんに言うと、最上さんは「はいっ」と力強く返事をした。

問題も解決し、車を最上さんの下宿へと発進させる。数分も走らせると最上さんが降りる場所へ着いた。

いつもならここで別れるのだが、今日は社さんに車の中で待っててもらって最上さんを下宿の近くまで送って行った。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




最上さんと二人で下宿のすぐ近くまで歩いて行き、彼女に今日の事を謝る。

「最上さん、今日は本当にごめんね。これからはいつでも電話して来て。何かあったら俺がすぐに駆け付けるか、仕事で無理な時は社さんか事務所に対処してもらうから。」

「敦賀さんのお手を煩わせるなんて滅相もない。」

ブンブンと手と顔を横に振る最上さん。自分は周りにアレコレお世話したりしているのに、相変わらず好意を受ける側には慣れていない。

「最上さん、軽井沢のような事件が起こってからじゃ遅いんだよ、ああ言う事を2度と起こさない為にも、不気味な電話が掛かって来たり、異常を感じた時は、すぐに俺に連絡するんだよ。いいね。」

涙の後の残る最上さんの頬に触れ、言い聞かせる。

自分がどれだけ人を引き付ける魅力を持っているか、まだ気が付いていない彼女の周りには危険が沢山転がっていて、出来る事なら全てを知っておきたい。

だが、最上さんの恋人でも何でもない俺にはそんな権利など有る訳がない。だから、少しでも彼女の状況を知る為に先輩の立場を利用する。

「わ、わかりました、変な電話が掛かって来たり異常を感じたら、すぐに敦賀さんに連絡します。」

俺が頬に触れているのが恥ずかしいのか少し顔が赤い最上さん。

「うん、誰かと話したくなった時とか、いつでも電話してね。俺からも掛けるから。」

これ以上、彼女に触れていると抱きしめてしまいそうな手を離し、頭をポンポンと撫でながら言った。

「はい、私の方はいつ掛けていただいても構いませんので、お待ちしています。」

「ありがとう。体が冷えて来ただろう?そろそろ中へ入りなさい。」

最上さんの背中に手を添え下宿の入口へと促す。

玄関に入るとこちらを振り向き「今日はありがとうございました。おやすみなさい。」挨拶する最上さんに「おやすみ、またね。」挨拶を返して車へと戻った。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




車へ戻り、社さんにお礼とお詫びを言い車を発進させる。

「蓮、お前、番号通知で女性に電話した事があるのか?ないだろうなぁ。見た事ないもんな!やっぱり、お前にとってキョーコちゃんは『特別』なんだな~と今日の事で再認識したよ。

しかし、キョーコちゃんが『大切な人』って言ってくれたけど、尊敬する先輩の枠のままのようだったな。道程は、まだまだ長そうだなぁ、蓮。

それにしても、さっきのお前は頭に血が上って嫉妬心まる出しだったな。こんな事繰り返してるとキョーコちゃんに嫌われちゃうぞ!

全く、共演女優の誘いは上手く断るから女性に慣れてるなと思っていたが、本命にはアタックする勇気すらない…情けない奴。」

社さんは自分のマンションに到着するまで、励ましてるのか、けなしてるのか、からかってるのか、よくわからない調子で、楽しそうに俺で遊んだ。


社さんを下ろした後、自宅マンションへと車を走らせる。

車中で最上さんの事が上手く解決出来てよかったと思いながら、今日知った便利なシステム「アッシー、メッシー、貢ぐ君。」を、どう有効活用しようか考えを巡らせていた。





―――この数日後、社長の策略により、最上さんと同じ部屋で寝起きするという想像出来ない生活が始まるなんて、俺は知る由もなかった。





      おわり





……………………………………


お~い、蓮。アッシー、メッシー、貢ぐ君は便利なシステムじゃないぞ~。


若い方は知らない方もいらっしゃると思うので少し説明しますね。(←調べた訳ではないので、違う所があったらすみません。)


アッシー⇒足から来ているのか?移動したい時に迎えに来てと呼び出したら、すぐ来てくれて指定の場所に送ってくれる便利な人。


メッシー⇒飯から来てるのか?ご飯食べたい時に呼び出したらご飯をおごってくれる便利な人。


貢ぐ君⇒欲しい物がある時に呼び出したら高級な物でも買ってくれる便利な人。


バブルの時1番流行ったような気がします。今でも少ないですがいるみたいですよ。



書いていて、あ~文字数越えるとわかったので思いっきり、ダラダラ展開にしてみました。読む方は、だるかったですよね、すみません。

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