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One and only 6

久しぶり過ぎる更新で申し訳ありません。



   One and only 6













病室に戻ると検査後痛いところがないかと何度も蓮に聞くキョーコちゃん。

蓮はキョーコちゃんの頭を撫でながら「大丈夫」「どこも痛くない」を連発し、キョーコちゃんを落ち着かせようとしている。

蓮によって少し落ち着きを取り戻したキョーコちゃんは、夕食をここで作ると言い出し材料を買いに行こうとした。

蓮には病院食よりキョーコが作った食事の方がいいかもしれない、そう思ったのだが…。

キョーコちゃんが部屋を出ようとして一歩動いた瞬間、蓮がキョーコちゃんの手を握りしめて「ここにいて」と一言。

蓮の言葉にキョーコちゃんは少し困った顔をしている。

いつもなら、お邪魔虫の俺が代わりに買いに行く所だが、今二人きりにする訳にはいかない。

かと言って、何も知らないLMEの社員に頼む訳にはいかず、結局社長に連絡して社長のお付きの人に動いてもらう事になった。

キョーコちゃんが材料をメモして電話でそれを伝えると一時間程で買い物して持って来れると返答された。

…ふぅ。夕食の準備と言ってもまだ時間が早いな。そう思い病室の時計を見ると夕方4時30分、二度時間を確認して自分の感覚が狂っていた事がわかった。昨日から今日の出来事は時間の経過がわからなくなる程の事という事か。

材料が届くまでの間、キョーコちゃんは調理器具や調味料のチェックをして、残りの時間を三人で少し話しをした。

蓮に車の運転や日常生活に必要な知識をいくつか聞いてみると蓮はしっかり答え、記憶が無いのは自分と自分の人間関係なのがわかった。(退院時に医者からも、そう説明を受けた。)

それにしても…キョーコちゃんに接する態度と俺達に接する態度が違い過ぎる。

キョーコちゃんには記憶が無いなんて信じられないくらい、以前と同じように優しくて、俺達その他の人間には初めて会う…いや、自分とキョーコちゃんに害を及ぼす人物のように接している。

今だって二人の会話に俺が加わっているもんだから、時々「どこかに行け」の視線を俺に投げ少し不機嫌だ。


キョーコちゃん以外を威嚇する今の蓮は「敦賀蓮」イメージを壊さないよう行動する事は不可能に近いだろう。

蓮の知名度では気軽に外を出歩く事は難しいし、俳優の仕事も出来るかどうかわからない。外出も出来ず、仕事をする事も今の状態では…前途多難だ。

だが、俺は一つだけ決心している事がある。それは、蓮が俳優を続けても止めても、これから先どんな方向に進もうとも、蓮を全力でサポートする!たとえLMEを辞める事になったとしても。


その為には少しずつでも信頼してもらう事だな、頑張ろう。


そうこうしていると、社長のお付きの人が現れた。いつの間に1時間たったのか、今日は本当に時間が過ぎるのが早い。

料理の材料をキッチンに置き買い忘れがないかキョーコちゃんにチェックしてもらった後、帰って行った。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




夕食を三人で美味しくいただいて片付けが終わるとキョーコちゃんは俺に言った。

「社さん、今日は私が敦賀さんについていますから自宅に帰ってゆっくり休んで下さい。」

キョーコちゃんありがとう、蓮がいつもの状態ならそうさせてもらう所だけど、今は二人きりにさせる訳にはいかないんだ…ごめん。

「キョーコちゃんこそ、ゆっくり休まないと!ロケ帰りの上、今日一日の出来事で疲れてるはずたよ。」

「私なら大丈夫です、全然疲れてませんよ。」

疲れてない訳ないのに、にっこり微笑んで答えるキョーコちゃん。

「キョーコちゃん、君が頑張り過ぎて倒れたりしたらどうするつもり?今日は帰って体調を整えるべきだよ。」

俺とキョーコちゃんのやり取りを聞いていた蓮はキョーコちゃんを自分に引き寄せようとしたが、俺の発した言葉で動きを止めた。

多分、キョーコちゃんが倒れたら…が効いたのだろう。

「…でも、私…」

諦めきれず言葉を探しているキョーコちゃん。よし、もう一押し。

「明日、蓮の着替え一式を持って来てくれたら助かるんだけど頼めないかな。」

「あっ、そうですよね、じゃあ、今から取りに行って来ます。」

そんな事させたら、俺、鬼だよキョーコちゃん。

「キョーコちゃん!それじゃ、俺がキョーコちゃんをこき使う事になったゃうよ。蓮も一晩くらいなら我慢するさ。な、蓮。」

蓮に視線を移すと、キョーコちゃんを心配そうに見つめてる。

「…キョーコ、あまり顔色良くない。俺、我慢するから…今日は家に帰ってゆっくり休んで。」

「敦賀さん…。」

「そのかわり、明日、朝にはここに来てくれる?」

「でも…」と渋るキョーコちゃんを説き伏せ、事務所の車に迎えに来てもらう事をなんとか了承してもらった。

早速、明日持って来てもらう物をメモして、蓮に欲しい物や必要な物はないか聞いたキョーコちゃんだったが……。

「欲しい物は何もないよ。ただ、お願いがあるんだ。明日、必ずここに来て…」

「も、もちろん来ますよ!明日は、朝食の準備をして来ますね。」

「うん、待ってる…待ってるから。」


キョーコちゃんの両手を自分の両手で包み込み明日の約束をする蓮とキョーコちゃんは、とても切なそうで、二人を引き離そうとしている俺は罪悪感で胸が痛かった…。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




事務所の車が着いたと連絡があり地下駐車場までキョーコちゃんの荷物を持って見送りに行く。

キョーコちゃんは「敦賀さんの事よろしくお願いします。」と深々と頭を下げて車に乗り込み、蓮のマンションへと帰って行った。



――ふぅ、今から朝までは蓮と二人きりか…少しの不安を覚えながら病室に戻ると蓮はもう寝ていた。

正確に言うとベッドに横になって窓の方を向いている、眠ってはいないと思うが…。

「蓮、もう寝たのか?いろいろ疲れただろう、ゆっくり休め。俺は隣の部屋にいるから何があったら呼んでくれ…おやすみ。」

蓮の返事は期待せずに言葉をかけて隣の部屋へ移動した。ドアが閉める直前「…おやすみ…」と、小さな声が聞こえてきた。



一言だけど返事をしてくれた、たったそれだけの事なのに俺は涙が出そうなくらい嬉しかった。…明日は話が出来るようになればいいな。


パジャマに着替えてベッドに入ると、昨日からの疲れもあったのか、目を閉じると同時に眠りについた。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




―――翌日。

外は朝から雲ひとつない、いい天気だ。

対して病室の中は刻々と怒気を含んだ嫌な空気になって行く。

朝目覚めた時は蓮の機嫌は悪くはなかったんだ。8時が過ぎ、それは少しずつ降下いった。

――理由は明白。

昨日「明日は、朝食の準備をして来ますね。」と言って帰って行ったキョーコちゃんがまだ来ていない…。

今、9時になった所だ。この一時間で…

「キョーコは?」「もうそろそろ来ると思うよ。」

「キョーコから連絡は?」「ないけど、もう少し待ってみよう。」

「キョーコ…」「今、連絡取ってみるから…」

朝からキョーコちゃんの名前しか言葉にしてない蓮。連絡をとると言ったものの、キョーコちゃんがここに来ない理由は予想がついている。

社長に足止めされているのだろう…。キョーコちゃんの携帯に電話してみるが留守電設定になっていて連絡が取れない。

俺が電話を掛けているのを黙って見ていた蓮だが、突然病室のドアの方へスタスタと歩き始めた。

「れ、蓮。どうした?どこに行くつもりだ?」

慌てて聞く俺に、蓮は振り向きもせず答えた。

「キョーコを探しに行きます!」

「ち、ちょっと待て、キョーコちゃんが今どこにいるか分からないのに、どこを探すつもりだ。」

蓮は俺の言葉を無視して足を止めずドアの手前まで行きドアを開こうとバーに手を掛けようとした瞬間にドアは開いた。


「いったい何事だ、ドアの前で何してる?」

――社長だった。

俺は心底ホッとした、何かしらの策を持ってるだろう社長の登場に。…社長ならこの場を納めてくれるだろう、そう思いドアの前にいる理由を説明した。





……………………………………



再開しました、これ以降は一話の長さが短くなると思います。連載終了後に編集し直すかもしれません。

完結をめざし頑張ります、よかったらお付き合い下さいm(__)m

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