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おいしい仕事?(1)




   おいしい仕事?(1)


ふぅ。珍しく、今日はスケジュールに余裕があるな、この分なら早めにホテルに送り出せる。

また明日からは別行動か。まぁ、キョーコちゃんと一緒だから食事の心配はいらないけど、超ハードスケジュールだから体が持つか心配だな。

珍しいと言えば、今俺が持っている二つの紙袋。蓮に個人的なお願いですみませんが、と頼まれて受け取りに行った物。

アルマンディのロゴが入ってるし、個人的じゃなく仕事じゃないのか?後で聞いてみるか。

「あ、社さーん。」

ん?この声は、キョーコちゃん?振り向いてみるとやっぱりキョーコちゃん。軽く走って俺の方に寄ってくる。

「こんにちは、社さん。」

綺麗な挨拶してくるキョーコちゃんに俺も「こんにちは」と挨拶を返す。

「今日はここで合流だったかな?」

「いえ…あの…夕方ホテルに直接行く予定でした…えっと、今日の仕事は終わったので、今撮影してる敦賀さんドラマを見学させていただこうかと思いまして。…それに監督は新開監督ですよね?休憩中にでもご挨拶したくて。お邪魔しても大丈夫でしょうか?」

「大丈夫だとは思うけど、このドラマは特殊な撮り方してるから休憩時間が少ないんだよな。」

「特殊って、変わったカメラで撮影するんですか?」

「ハハハ、違うよキョーコちゃん。普通は、シーンごとにカメラワークとか変えてカットしながら撮影するだろ。このドラマは複数のカメラで生放送みたいな撮りかたをしているんだよ。」

「そうなんですか、確かに普通のドラマの撮影とは違いますね。」

「まあね、このドラマ自体が実験的な物で、いつもなら受けない仕事だからね。今回は『事情』があるから仕方ないけど『敦賀蓮』としては『おいしくない仕事』になるかな。」

そう言って放送時間がゴールデンタイムの放送ではなく、深夜11時からの放送である事。マンションの部屋の中だけで話しが展開されて行く事。

初めてと言っていい程の企画なので、放送後、評価の予想がつかない事。下世話な話だが『敦賀蓮』のギャラとしては破格の安さだと言う事を説明した。

するとキョーコちゃんの顔が、みるみる青くなり心配そうな表情になってしまった。

しまった、余計な事まで言い過ぎたと思った俺は違う方向に会話を持っていく。

「話は変わるけど、キョーコちゃん、雪花ちゃんと仲良しなんだよね?撮影の話とか食事の愚痴とか聞いてない?」

「あっ、はい。雪花からいろいろ聞いてます。雪花は、兄、命なのでお兄さんの話ばかりで…兄さんは仕事は真剣にこなすけど、後の事はいちいち自分が世話をしないと何にも出来ない。

お酒とタバコを食事と勘違いしてるから普通に食事をさせるのが大変だって言ってました。」

「そうなんだ、どこかの誰かさんと一緒だね。」

「ふふふ、本当にそうですね。」

そんな言葉遊びをしながら、話題を変えられた事にホッとして、歩みを進めて行く。

「キョーコちゃん、新開監督とは螺旋の森のロケ以来になるのかな?」

「はい。監督にあの後、写真を送って頂いたいて電話でお礼を伝えたのですが、どうしても直接お礼を言いたくて。」

…い、いや、キョーコちゃん!!あの時、君の捻挫が酷くなった演技対決は間違いなく新開監督の策略のせいだし、写真を撮影したのは、ほんの罪ほろぼしだから、礼なんて言う必要は全然ないんだよ。……とは言えない。

「そ、そう。それじゃ、とりあえずスタジオ覗いて見ようか。」

そう言って、スタジオのドアノブに手をかけた。

これから起こる出来事も知らずに……。





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