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おいしい仕事?(3)




   おいしい仕事?(3)


「ところで、蓮。彼女には何と説明したんだ?嫌に短い会話だったようだが。」

「…実は全部は話していません。料理を作るシーンの撮影が上手くいかなくて、そのシーンだけ撮り直すから手を貸してくれないか?と言ってあります。」

「全てのシーンが上手くいってないんだがな。まあ、演技の方は『螺旋の森』での事で、ある程度は期待しているが、料理の方は大丈夫なのか?」

「監督、料理は全く問題ありません。俺としては、演技の方も心配はしてませんがね。」

「そう言われてもなぁ、食材の残りも少ないしな。」

「…そうですね、食材を把握してないと時間がかかるでしょうから、残りの食材を調べて彼女に伝えた方がいいか…。監督、指示お願い出来ますか?」

監督が指示を出している間に、いつ預かったのかキョーコちゃん愛用のバックから風呂敷に包まれた二段の重箱を取り出した。

「彼女が作った物です食べてみて下さい」、と監督に進める。

おかずの一つをヒョイと手でつまみ食べた後、「お前の言う通り料理は問題なさそうだ。」監督の言葉を聞いて貴島も食べてみて頷いた。

監督が、おかずやおにぎりを次々と口に運ぶ。貴島も手を延ばすが、「今食べると、撮影の時、腹に入らなくなるぞ」と言われ渋々手を引く。

その時、準備に動き回るスタッフの一人がキョーコちゃんの衣裳をどうするか、監督に聞いてきた。

衣装は何着かあるが、先に撮った女の子のサイズで準備してあるのでキョーコちゃんには合わないらしい。

「監督、彼女が別の仕事で使う予定の衣装を、事務所から預かって来ています。それを使いましょう。社さん、スタッフに渡して下さい。」

『それ』って、俺が持ってる紙袋か?これは事務所じゃなく、アルマンディに取りに行った物だぞ。さては、キョーコちゃんにプレゼントするつもりで準備した物だな!

今ここで問い質すわけにはいかず、スタッフに紙袋を渡す。

蓮達は、キョーコちゃんの役名と、蓮と貴島でフォロー出来るシーンの打ち合わせを始めた。

俺がここにいてもできる事はないし、「キョーコちゃんに余計な情報を耳に入れさせないようスタッフに口止めをしておいた方がいいだろう。」そう蓮に伝えメイク室に向かった。




      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




メイク室でキョーコちゃんに説明を始める。

「キョーコちゃんメイク中にごめんね。後で監督から詳しい指示があると思うけど、食材のリストを預かって来たよ。この材料で作れるメニューを考えて欲しいそうだ。」

「わかりました。わざわざ、ありがとうございます。」

リストを渡すと、頭の中でメニューを組み立ててるようで、手を動かしながらブツブツと材料を読み上げ始めた。

その隙に、なぜ撮り直しになったのかキョーコちゃんに話しをしないよう、スタッフに伝えた。

「キョーコちゃん、途中でごめん。何か必要な物があれば準備してもらうけど、何かあるかな?」

「へ?あっ、はい。…多分大丈夫だと思います。えっと、社さん。料理を作る時間は何分ぐらいを予定しているんでしょうか?」

「う~ん、そうだね。30分から50分ぐらいで考えておけばいいと思うよ。調理してる部分は、時間がかかるのを見越してカットが入る予定だから。」

「はい、わかりました。」

「あと、撮影に入る前にキッチンを見せていただいても構わないでしょうか?」

「もちろんだよ。撮影前にキッチンの確認を出来るよう監督の許可をもらっておくよ。調理の時間も再度確認して変更がある時は、すぐに連絡するからね。」

「はい。」

「…キョーコちゃん、本当にごめんね。急に無理な事を頼んだ上、カットして短く編集する調理の撮影なんて。」

「とんでもない!私が役に立てる事が嬉しいです。それに、どんな役でも、どんなに短いシーンでも勉強になります!」

「そう言ってくれると助かるよ。先にスタジオに行ってるから、メイクが終わったら、すぐ来てね。」

「はい、頑張ります。」

返事をするキョーコちゃんに、じゃあ後でね。と、軽く手を挙げてメイク室を後にした。





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